スポーツ、歌を歌うとき、楽器を演奏するとき、会話をするとき、文を書くとき、何でもかんでも。
何をやるにしても、思いっきり100%でやるということは、案外、思ったよりは難しくないと思います。
思いっきり100%力一杯やることは、逆に気持ちがよくて、楽にできるもの。スカッとできる快感!
言い換えれば100%は一番オイシイところで気持ちがいいところ。
しかしずっと全開100%でいるのは、やっている方も、周りにいる方も、実は疲れるし、心地よくない気がします。
すごく素敵な歌い手さんのパフォーマンスをよーく見てみますと、歌の入りは10%くらいで入ってきてBメロで50%に徐々に上げ、サビ部分ではもちろん100%で歌い上げます。
とにかく100%の部分で一番盛り上がるように、歌いながらイメージし、考え、力の配分をしています。
どうしたらとっておきの100%の部分がさらに輝くかを考えて、演出して、セルフプロデュース出来ている人が、素敵な歌を歌う人なのだろうなと感じます。
とびっきり大きくてハリがあって伸びやかな声を持っていたとしても「引く」ことを知らなければ魅力は半減。
それを知っていて、100%ではない部分が上手に表現出来て、10%の部分を練習している人が「素敵な歌を歌う人」。
会話や話し方に魅力のある方も同じように感じます。
起承転結があるというか、グイグイ全開でご自分の意見を押し付けては来ずに、まずは人の話すをじっくり聞き、いろいろな例を交え会話を続け、ココだというポイントでグッと入り込んでくる。
ずっと心に残る印象的な会話。
ロックバンドで見てみますと、全員が力任せに大きな音で何も考えずに100%でドカドカやる!という楽しみは、もちろんあります。
しかし、どんな楽器も100%以上の音量は出る訳はありません。では、どうするか??
仮に普段を75%で演奏すれば「ここぞ!」というときに全開100%にできる。
サビ前ではあえて気持ちを合わせて50%にまで落とし込んでから、一気にサビの100%へ繋げて行く。
そんな曲の中の”ウネリ”をコントロールできて、メンバー全員の心と楽器が合わさったときに、100%を超えて、120%の迫力感が演出され、そこに圧倒される。
そしてその”ウネリ”こそがその曲のエネルギーとストーリー
普段から100%でやっていると「ここだ!」というときも、普段の何でもないときも変わりません。
周りにいる、聴いたり見ている人は、ただ一生懸命に同じテンションでだらだら続いているように見える。
100%はカッコよくて、気持ちがよくて、心地がいい、最高地点です。
素晴らしいパフォーマーは、その100%をさらにカッコよく見せるために「引くところ」の格好良さを知っていて、持っている。
力を抜くと安定感が無くなり不安定になりがちですが、そこをトレーニングしている。そして「引く」タイミングとバランスもとてもいい。
アコースティックギターやウクレレを使って歌う「弾き語り」
今よりもっともっとカッコよくするには、100%最高潮ではないところの練習をするべきです。
同じように、なんでもどんなことでも、カッコよく心地よくいたいなら、100%最高潮ではないところの練習をするべき。
10%のところがクールに決まれば、得意な100%のところが今の何十倍もカッコよくなります。抑えるところの練習。
何事も100%の最高地点のことばかり練習したり考えたりしがちです。
サッカーならシュートだけ、野球ならホームランバッティングだけ、エレキギターならソロだけ、料理ならメインだけではやはりダメでしょう。
いかんせん100%は気持ちがいいので、全開フルスロットルで進みがちですが、こういう「引く」という格好良さに気がつき、それを知ると、また新鮮です。
それが今より3倍カッコよくなる方法。
分かってはいるけれど力を抜くというのは簡単ではないです。
まずはウクレレでゆるーく力の抜き方を覚えてから、あらゆることにその手法を取り入れていけば、いつもはリラックスしていて、ここぞ!というときはバシッと決まるカッコイイ大人になれるかもしれません。
ありがとうございました。