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2015/08/21

とっておきの一つを決める方法

私は長野県の田舎町の出身で、中学生の頃からエレキギターを弾き始めました。
ギターが猛烈にカッコよく見えて田舎の楽器屋さんにいってはピカピカのギターを眺めていましたが、なにせ田舎ですので楽器屋さんも小さくて、そんなにたくさん商品は並んでいません。せいぜい30本くらいのギターが並んでいて、買えもしないのに「ここにあるギターの中だったら僕はこれにするな~」なんて想像して遊んでいました。 高校生になると夏休みの最後にアルバイト代を持ってギターを買いに東京の楽器屋さんに行ってみました。 その品揃えの多さは凄まじく何百本というギターが山のように売っているのを見て大興奮。雑誌で見たあのギターやプロが使っているモデル。もう天国です! 当時はネットもない時代ですので一つ一つの店に行ってみないとどんな楽器があるか分かりません。もう迷いに迷って新宿~渋谷~御茶ノ水のあたりを何回も行ったり来たりしてくたびれ果てたのを思い出します。 最後は半分どうでもよくなってしまうような感覚にメゲズに、自分にとって最高のギターを探し歩いていました。 何千本とギターがあろうが、自分のモノになるのはたった一本のギター。東京の楽器屋さんではたくさん商品がありすぎて一つのものに決められなかったのです。 10個の中からは選べるけれど、1000個の中からとっておきの一つを探し出すのはとても疲れそうですよね。 それに運命のギターは1000本のなかにあるかもしれませんが、田舎の30本のなかにもあるかもしれない。 たくさんの中から探し出すのは大切なことですが、少ない中でも「これだ!」と決断できることが大切なのかもしれません。自分の感覚を信じるような。 今はインターネットで買い物するにもキーワードを打ち込むと何万という商品が画面に並びます。そんなのを見ているうちに、もうなんだっていいやーという気分になってします。 たとえば男女関係でも同じようなことがあるのではないかと思うのです。 私は愛する妻と毎日楽しい生活を20年ほどしていますが(途中病気で大変な時もありましたが)妻はもちろん女性です。 女性は本当にたくさんいらっしゃいますが、全ての女性の方との相性や人間性が合うかどうかなど試せるわけがないのです。検証する?こんな言葉自体がおかしいですが、妻は出会った当時の仲良し仲間の中の一人で、だんだん惹かれていった。 なんというか偶然の出会いです。 小中学校ではだいたい同級生の子を好きになると思いますが、やはり同級生という枠の中だから「あの子が好きだ!」とおもえるんですよね。クラス分けだって偶然の出会い。 バンドのメンバーにしてもお仕事のパートナーにしても、1000人の中から選べないけれど15人からだったら選べる感じがします。1人だったら選ぶも何もない。そして選ばれたメンバーと出会うのもたまたま偶然。 そして考えてみれば、全ての出会いは偶然です。 100種類のメニューがある定食屋より、5種類しかない定食屋の方がすぐにお昼ご飯を決められます。 そして、ギターにしても男女関係にしてもバンドメンバー&お仕事パートナーにしても、最初に相性だとか検証だとかごちゃごちゃ迷っているより、選択肢を減らして選んで、とにかく進む。 選んでひとつに決めることが目標ではなくて、決めて一緒に進んでいくのが目標。 ギターを楽しく弾く、夫婦で一緒に過ごす、バンドで音楽を作る、お仕事で喜ばれる、昼飯を食う! 進んでいくためには、選択肢を減らした方がいい時もあるとおもいます。 ありがとうございました。

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