ウクレレでアレンジするときはその曲の持つ装飾や飾りをぜーんぶひっぺがして、丸裸にしてしまうアレンジをしているよーと
前回このブログに書きました。
曲そのものの持つ力をウクレレ一本で表現するという最小限の美学。かっこいいです。
ところで私はウクレレを教えていますが、まだ現役バリバリのミュージシャン。
そこでは一体どういうことをしているかといえば、生まれたての丸裸の曲にどんどん飾り付けして、装飾品をつけて、飾り立てることしているのです。
ウクレレの時と同じ「アレンジ」をしているのですが、まったく正反対のことをしているわけです。
自分の頭の中の世界を「音楽」で外の世界に引っ張り出す=作曲。
そのようにして作られた新しい生まれたての曲の姿はウクレレ1本でも十分完成度は高い。
しかしライブをやったり、バンドで演奏したり、レコーディングしてCDを発売したりするときは、さらに磨きをかけて、他の人のアイデアも取り入れて、その世界観をもっともっと突き詰めるためにかっこよくしていく。
ウクレレ1本でできた曲をバンドで演奏するとなれば、ドラム、ギター2本、ベース、キーボード、ホーンズ、それぞれどう演奏する??リズムは?印象的なキメは?
そうやって色々なイメージの中から、自分たちが考える曲にしていく。
星の数ほどあるアレンジ手法の中から、どうするかを決めて、作品になってゆく。
曲を、飾ったり、丸裸にしたり。着せたり脱がせたり。
音楽でも絵でも文章でも料理でも生き方でも
どれを選んでも正しいであろう何十万通りの方法から、たった一つを選んで進んでいくことで、自分を作っていけるのが私たちです。
選びに選んだものが今聴いている曲であり、今ここにいる自分。
ありがとうございました。