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無い物ねだりのロックンロール

投稿日:2015年5月1日 更新日:

外国に旅行に行くと日本ではあまり見ないような珍しくて美味しいものがたくさんあります。

 

厚切りステーキや魚介のソテー、オリーブオイルにハーブにガーリックにリーンなパン。

 

ガイドブックにもたくさん紹介されていて大喜びで食べ歩きます。

 

しかし私たち夫婦は、すこしすると、こういうものに飽きてしまうのです。

 

ハワイにはラーメンやお弁当、味噌汁、お菓子まで日本のものが揃っているので、そんな時にはだいぶ助かります。

 

日本にいてもそんなもの食べないでしょうに、、、というものまで手を出してしまう。

 

以前の私なら外国に来たら1日4食ステーキとかプレートとか全然平気で食べていたのに、妻がすぐ胸焼け起こすのを見ていたら、なんだか1日1回で十分だと思うようになりました。

 

そして帰国すると、今度は外国そのまんまのステーキハウスや、ハンバーガーを食べに行きます。

 

それを食べて「あ~海外は楽しかったな~」なんて思い出している。

 

無い物ねだり

 

以前、バンドでアメリカロサンジェルスツアーをした時に現地の人たちとたくさん仲良くなれました。

 

こちらは憧れのアメリカにバンドのツアーで来ているわけですからテンションは上がりまくっています。

 

日本にいる時からロサンジェルス文化が大好きで、雑誌や本で色々な知識を持っていました。西海岸スタイル大好き!

 

たどたどしい勢いだけの英語を駆使し、ワイワイやりながらのホームパーティーで「~ってビーチがあるでしょ?そこはやっぱりいい所?」なんて質問すると

 

「しらないなー。そんなところあるの?それより歌舞伎の話聞かせてよ!」

 

+*」「」・:「。」?!!!?

 

現地の人は日本から来た僕たちに、日本のことを色々聞いてきました。

 

その時のメンバーは4人だったのですが、3人は洋楽好き&アメリカ文化大好き!あと一人はアニメ好き、ゲーム好きのメンバーがいました。

 

ふと気がつくと、アニメとゲームの話で大盛り上がり!アメリカ好きの三人は大好きなアメリカにいるのに全然会話に入れない、、、、という皮肉なことに。

 

そこで気がついたのは、外国の人とコミュニケーションしたいなら、自分の国である日本の文化に詳しい方がいいということでした。

 

お互い自分の国にないものに惹かれる、これも一つの無い物ねだり。

 

当時、缶コーヒーが大好きだった僕らが、ロスの日系スーパーで缶コーヒーのBOSSを4ドルくらいで買っているのを現地の友達が見て

 

「コーヒーが缶に入っているなんて日本は大丈夫かい?!?」「よくそんなの飲めるね??」なんて目をまん丸くさせていました。

 

しかし、日本の4倍の4ドルでも、そのときは缶コーヒーが恋しかったのです。

 

そして、たった1ヶ月間海外にいただけで、自分の国である日本が素晴らしい国だと知りました。

 

日本にいると海外に憧れたりそういった感覚になるのですが、あちら側から見たここ日本は、あらゆることですごく良かったのです。

 

英語で歌詞を書いていた僕らのバンドですが、二度のロスツアーを終えて、いろいろ考え、日本語の歌詞にすることにしました。

 

「本場のアメリカでどれだけ通用するのか?!」と、ろくに話せもしない英語歌詞で挑戦し、憧れのロックの聖地へ乗り込んでいった我々

 

予想以上の高反響をいただきましたが、私たちが得た一番大切なものは、とてもシンプルなことだったのです。

 

ロスで教えてもらったのは、「なんで日本語でやらないんだい?」「だって君たちの言葉でしょう?」

 

自分の周りにいる人たちに自分の音楽を届け、歌詞に共感できる曲を作る。こんな当たり前でシンプルなことを外国で教わりました。

 

僕らにとっての音楽の聖地はロンドンでもNYでもロスでもなく、ここ日本なんだな。

 

その感覚を持っていないと、世界に出られないんだな。

 

その自信と誇りを持っている人が、世界に出られるんだな。

 

ありがとうございました。

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